文芸誌『たまゆら』編集長の雑記帳

文芸誌『たまゆら』は30年以上続く老舗の文芸同人雑誌です。エッセイ、詩、俳句、短歌、小説、紀行文など、好きなジャンルで好きなように書く表現の場です。

たまゆら118号 本日入稿 会員募集中!

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たまゆら118号 原稿

 ★本日入稿

 8月30日発行予定の文芸誌『たまゆら』118号を先ほど入稿しました。はやければ土曜日にも仕上がってくる予定です。

 『たまゆら』は東近江在住の作家・佐々木国広氏が平成2年に立ち上げた同人誌で、80の傘寿を前に氏が代表を引退したあと、昨年小生が引き継ぎ、118号は新体制に移って4号目となります。

 同人メンバーは28人で毎回健筆を振るってくれています。今回も13人が小説、エッセイ、詩、短歌の読み応えのある、味わいの深い作品を寄稿してくれました。

 苦労というほどのことではありませんが、編集作業の紙面割に手間取りました。奇数ページで始まり偶数ページで終わる、詩、短歌は見開きにするというの規則の中での作業です。これは前だ、いや最後だとやってて、よしと思ったら奇数で終わっていた、ということも何度か。

 前回は埋め草(合間に入れる挿絵や写真、コラム)を増やして調整しましたが、かえって、ごちゃごちゃ感が出てしまい、読みづらくなりました。

 で、今号は作品のみで調整をはかってやっと入稿につなげました。返って個々の作品が引き立ち紙面も引き締まりました。

★快挙

・当誌編集委員の桑山靖子さんの「当麻曼荼羅」(『たまゆら』114号掲載)が『文芸思潮』主催の第14回全国同人雑誌最優秀賞「まほろば賞」を受賞しました。

 同賞は毎年、同人雑誌の作品を網羅的に集め、優秀な作品を選び賞を贈ろうとする、まさに最高峰というべき賞の受賞です。大変おめでとうございます。

 選評では「粗筋は早産で死んだ赤子の魂が彷徨い続けるのを追って、生命世界の本源に到達するという流れだが、その過程で中将姫が織ったという「当麻曼荼羅」の縁起に触れたり、折口信夫の「死者の書」の一節が蘇ったりして、日常の底に眠っている世界が開かれてくる展開が、深層を掘り起こしてくる」「古典に依存しつつ、その奥にある世界を掘り下げた開拓は大きい。優秀作である」と高く評価されました。

★その他も続々と高い評価が

元代表で顧問の佐々木国広さんの「みみずく屋」(『たまゆら』114号掲載)が同じく『文芸思潮』(第76号、2020年6月25日発行)で「古書店を営む夫婦の軋轢と和合の綾織りが、一つの人生の姿を象徴していて、胸に染み入ってくる。筆は健在で、いい味を出している点では、むしろ熟達を感じさせる」と評されました。

・平井利果さんの「恋知らず骨もなき兄」(『たまゆら』117号掲載)が『図書新聞』(第3458号、二〇二〇年八月一日発行)の「同人誌時評」で沖縄戦で戦死した兄に対し「行間に滲み出る遺族の悲しい思い。作品末部分に『戦争は人一人の命を少しもためらいもなく奪うという現実を見た』という文は真実の叫び。末尾にある『夏草やわれも大地の居候 登志子』という句も見事」と鎮魂を綴る秀作として高く評価されました。ほんと力作です。

・杉本増生さんの「木洩陽の道」(『たまゆら』117号掲載)が『民主文学』(2020年9月号)の「支部誌・同人誌評」で取り上げられ「障害をもつ人々に対する視線の温かさが感じられ、自分の関わりを厳しく問い続ける姿が描かれている」と評されました。これも杉本さんらしい、他者を見る視線が暖かく、そして道端の雑草をしゃがんで凝視するほどにどこまでも低く、近い。

★書き手を募集しています。

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★バックナンバー

 115号、116号、117号(若干数)あります。118号もご提供できます。ご希望の方は書き込みで。一部500円プラス送料180円。

 

 

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前号117具の表紙